家族ががんになっても希望は消えない。

母が肺がんステージ4になってからの記録です。希望は常にあると信じて日々を過ごしています。

抗がん剤治療 「アリムタ」と「カルボプラチン」

皆様こんにちは。もち丸です。

 

前回の記事では分子標的薬「タグリッソ」による治療をまとめました。

今回はそのタグリッソ治療の次、「アリムタ」「カルボプラチン」による治療をまとめます。

母の病気のことは頻繁に人に相談出来るものではないので、このブログで少しでもガス抜きがしたいと思っています。

それではよろしくお願いします。

 

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1、「アリムタ」と「カルボプラチン」

今回の治療では「アリムタ」と「カルボプラチン」2種類の抗がん剤を点滴します。ここではそれぞれの薬の一般的知識の説明は省略します。

母の場合は4週に一度アリムタとカルボプラチンを点滴するというのを1サイクルとし、それを4クール続けました。そしてその後はアリムタのみを4週に一度点滴するというサイクルでした。

 

前回使用したタグリッソは飲み薬でしたが、今回は点滴治療という事で、治療の流れが大きく変わります。

ちなみに点適は入院ではなく通院でOKです。ただ最初の1回目は念の為入院してもいいとのことでしたが、母は入院したくないとのことだったので、最初から通院での治療となりました。

 

 

2、母に出た副作用

前回使用したタグリッソはがんに関わる特定の細胞を狙い撃ち出来る為、比較的副作用が少ないと言われていました。とは言え母は結構辛そうでしたけどね。

それに対して今回使用する抗がん剤は体全身の細胞、特に細胞分裂が活発な部分を叩きます。その為副作用の出方も、タグリッソとは違うものになりそうだと言われていました。

 

そして母には以下の副作用が出ました。

・吐き気、気持ち悪さ

・だるさ

口内炎、皮膚炎

他には特に注意が必要な副作用として、免疫力の要である白血球が下がってしまう「骨髄抑制」というのもありましたが、それについては別章で説明します。

ちなみに多少髪質が変わったものの、脱毛はほとんど無いようでした。

 

①吐き気、気持ち悪さ

吐き気の度合いに関しては個人差が大きいようですが、母の場合は点滴1~2週間後は、食べ物を少量でも食べると必ず気持ち悪くなるようでした。ただ食べること自体は出来ていたようなので、気持ち悪くなる前に食べてしまおうと、猛スピードで食事をしていました。(笑)

それと特に印象的なのは、少量の水でも気持ち悪くなるということでした。

 

そしてここで注意が一つ。がんを患っている方は血栓が出来やすくなってしまう傾向があり、それを防ぐ為には「体を動かすこと」と「水分をしっかりと摂ること」が大事なのだそうです。その為水分を摂りにくくなることは大きな問題なのです。ちなみに母は血栓が出来てしまい少々大変だったのですが、そのことに関しては別記事で述べたいと思います。

 

担当看護師に食欲が無い時の対処を聞くと、「辛い時はスポーツドリンクやウイダーインゼリー等でもいいですよ」とのことでした。

ただ母は食べ物の好き嫌いが激しく、上記二つを決して食べてくれません。なんとか食べてもらおうとしても、余計意固地になってしまいました。(泣笑)

ただ周りが心配してあれこれと忙しくしてしまうと、母は余計に居心地が悪くなってしまうような気もします。

母だって食べられるなら言われずとも食べるでしょうから。

ただ母は吐き気が強い時でも、冷やし中華そうめんなどの麺系はそこそこ食べられるようでした。

 

②だるさ

母の場合は点滴を打ってから2、3日後から現出し始め、その後2週間程続いているようでした。

ただ抗がん剤の回数を重ねていくと症状も酷くなっている印象があり、2週間後以降もだるさが続くようになっていきました。

 

口内炎、皮膚炎

これに関しては体のあちこちに湿疹が出ているようでした。その対処として保湿剤が処方されました。特に冬場は空気が乾燥している為、保湿が大事とのこと。

また口内炎もあちこちに出ているようでした。これに関してはうがい薬と塗り薬が処方されましたが、母は塗り薬を嫌がり結構さぼりがちでした。(泣)

ちなみにうがい薬が沁みる時は、緑茶でのうがいも効果的だそうです。

 

 

3、骨髄抑制

まず始めにお断りしておきます。この項目は副作用に関する中でもかなり重要な項目です。そして今から述べることは私の主観が多分に入っていることを、ご理解いただければ幸いです。

 

さて抗がん剤の副作用について、最も注意が必要なのは「骨髄抑制」だと医師に言われました。

骨髄とは白血球や赤血球を作る場所であり、抗がん剤はこの骨髄にもダメージを与えてしまいます。特に白血球が少なくなってしまうと免疫力が落ちてしまい、普段ならかからないような病気や感染症にもかかりやすい状態になってしまいます。

一例として普段はそこまで問題にならないような歯周病菌も、免疫力が落ちている状態だと悪さをする場合もあるそうで、治療前に口腔衛生を整えておくことが大事だそうです。

 

さて一般的に白血球が下がるのは、抗がん剤投与後1~2週間くらいの時期だそうで、この時期は「人込みには出かけない」「手洗い・うがいを徹底する」等、本人も家族も注意が必要な時期になります。

特に現在はコロナもあり、肺にダメージがある母にとっては命取りの可能性もあります。

その為私もコロナには相当敏感になっており、緊急事態宣言のあるなしに関わらず外出は極力控えました。趣味のスポーツや外食はもちろん、外出自体も最低限、休日は近所の散歩やランニングのみとしました。

かなりストレスがたまる日々ですが、「あの時外出しなければ母は感染しなかったかもしれない」と後悔するのが怖かったのです。

このあたりの心情は別記事でまとめたいと思っています。

 

骨髄抑制については自覚症状や見た目からの判断が難しい為、「見えないものに注意する」という難しさと苦労を知りました。ただ幸い母には骨髄抑制による大きなトラブルは起きませんでした。

 

 

4、治療の効果

肝心の治療効果についてですが、元々あった肺部分の腫瘍は半分以下の大きさになり、他の転移した部分もかなり小さくなりました。

 

やはり医師から完治は期待出来ないと言われていても、こうした結果には本当に救われる思いがします。

やはり治療を受けている人は「このままいってくれ!」と願いますよね。そしてこの治療が出来るだけ長く続いて欲しいとも。

とは言え安心しきれないのがステージⅣの辛いところです。期待と不安が入り混じり、楽観視出来ないのが本当に苦しいです。

 

ちなみこの治療中にも一度脳腫瘍の再発がありました。

しかも前回一度ガンマナイフ治療を行った部分の再発もあり、それは肺がんの勢いが強いことを意味しているようです。

そして最初の治療から数えて3回目のガンマナイフ治療を行いましたが、幸い全ての脳腫瘍に対処することが出来、あれから脳腫瘍の再発は起きていません。

さすが我が母!しぶとさが段違いだ!

 

 

5、またしても効果が…

さて順調だった治療ですが、治療開始から一年半程経った頃、母に発熱する日が出てきました。昼間は平熱なのですが夕方に熱が出て、夜には下がるというのを繰り返すようになったのです。

主治医に相談はしましたが、「38.5度以上出なければ大丈夫ですよ」とのこと。そして解熱鎮痛剤が処方されました。

 

それを聞いて私は「は~?そんなわけないだろ。こんなん心配しない方がおかしいわ」と思い、診察時に何度も確認しました。ところが血液検査にも異常は無く、肺炎も起きていないとのこと。

このような時はネットで調べても、恐くなるような情報しかありません。でも「母に何かが起きているのでは」と不安で仕方ありませんでした。

 

そしてそれから2か月程経った頃診察で、「抗がん剤の効果が落ちてきています。恐らくリンパ節部分の腫瘍が大きくなり、炎症が起きることによって熱が出ているのでしょう」とのことでした。

 

「ついに来てしまったか。このままいってくれると思っていたんだけどな」と、再び私達はどん底に落とされました。

そして次の治療については二つの選択肢が提示されました。

一つは予め計画されていた抗がん剤による治療。そしてもう一つは治験に参加することです。

今回の出来事は母の治療について一つの転換点になり、結論から言うと母はどちらの治療も受けることが出来なかったのですが、このことは別の記事でしっかりとまとめようと思います。

 

 

6、最後に

それにしても本音を言うとがん治療って本人はもちろん、家族も相当大変です。

特に完治が見込まれる中での治療は、苦しくとも可能性とゴールがあります。その為モチベーションを高く持つことが出来、それらが苦しい治療に耐える力になります。

ところが母の場合は治療のゴールが見えず、終わりの無いマラソンを走らされている気分です。

苦しいのにゴールが見えない。そりゃ力もモチベーションも落ちてきて当然です。

 

とは言え私は奇跡を信じます。人がどうなるかなんて誰にもわかりません。

それにデータというのは確かに科学的事実ではあるけども、そんなもん知るもんか。知ったこっちゃないと強がります。

やっぱり母には長生きして欲しい。今まで全然親孝行出来なかった分、これからいっぱいしたい。

気付くのが遅すぎたけど、まだ終わりたくない。母に希望を持って欲しい。

「神様助けてください。私も頑張ります。母は既にたくさん頑張っています。どうかよろしくお願いします。」

 

私はネガティブな気持ちをブログにたくさん書くつもりですが、言霊の意味でも良いエネルギーが循環するような言葉も使っていきたいと思います。

このブログを見てくださった方の状況が、良い方向にいくことをお祈り致します。

皆様が平穏な一日を過ごせますように。