家族ががんになっても希望は消えない。

母が肺がんステージ4になってからの記録です。希望は常にあると信じて日々を過ごしています。

抗がん剤治療 「ドセタキセル」+「サイラムザ」

皆さんこんにちは。もち丸です。

 

ちょっと本題に入る前に愚痴なのですが、最近ちょっと耳鳴りが気になる頻度が上がっているんですよね~。

私は10年程前に突発性難聴になった際、聞こえは戻ったものの後遺症として耳鳴りが残ってしまいました。以前MRIで検査もしましたし、定期的に耳鼻科で健診も受けています。今回も耳鼻科で検査しましたが、異常も聴力低下も無いとのこと。怖い病気じゃないことは良いのですが、やっぱりうっとうしいです。

 

原因として個人的には、見え方の調整不良による首・顎周辺の凝り、そしてストレス、寒さ等が影響しているんじゃないかなと思っています。ただこれらの要素はなかなか無くらないんですよね~。

それに耳鳴りは「無くそう、無くそう」と思うと、余計気になってしまうものですから、「治すというより付き合っていくもの」と捉え、なんとか敵視しないような状態になれればなと思います。

 

さて本題に入りますが、前回の記事ではアブラキサン治療から別の治療に変わることが決まったところまでを書きました。

今回はその続きになりますが、今回の記事でようやく時系列が現在2021年12月に追いつきます。それでは本文に入ります。

(※2022年1月11日 副作用欄に追記あり)

 

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1、ドセタキセル+サイラムザ

さて今年2021年の8月、アブラキサンの薬効や供給停止問題等を踏まえ、次の治療にうつることになった母。この次に使う抗がん剤ドセタキセル「サイラムザの二つです。

これは二つとも点滴タイプの抗がん剤で、点滴は4週間に一度というサイクルです。

 

ただ今年の5月頃に肺炎が治ってから、「TS-1」、「アブラキサン」と2種類の抗がん剤を試しましたが、いずれも効果が薄かった為、今回も期待よりも不安の方が強いというのが本音です。(※正直アブラキサンには効果があったと思っていますが)

それに使える抗がん剤の選択肢が少なくなっている感があり、とても怖いです。「また効かなかったらどうしよう。そのうち治療が出来なくなって、緩和ケアに入りましょうと言われるんじゃないか」と考えると怖くてたまりません。

私はそんな不安な気持ちを持ちながら、この治療に臨むことになりました。

 

 

2、骨髄抑制に注意!

さてこの治療を始めるにあたり、先生から特に注意が必要なことがあると言われました。それは「骨髄抑制=白血球数低下の危険性」です。

ただこの薬に限らずほとんどの抗がん剤は、白血球数低下等による免疫力低下が副作用としてあります。ただ今回の治療はこれまで以上にこの免疫力低下に気を付けなければならないとのことです。

その為その対処として、抗がん剤点滴の翌々日にジーラスタという注射を打つ治療がセットになりました。

免疫力が低下するのは抗がん剤投与後、大体1週間から2週間位の間なのですが、今回からはジーラスタ接種により、予め白血球を増やすという先手を打つわけです。

 

この注射は接種自体は1分程で終わるのですが、その副作用が結構強烈なようです。

注射自体も痛いらしいのですが、母の場合は打った翌日は少し発熱し、それから1週間程腰や背中がかなり痛むとのことです。

私達の体の血液は骨髄で作られます。そしてこのジーラスタは骨髄に「白血球とかをたくさん作れ」と強く働きかける為、それだけ強い反動があるということなのでしょうね。

母は痛みが酷い時はロキソニンを服用していますが、完全に痛みが無くなるわけではなく、何とか痛みが強い期間が終わるのを待つと言った感じです。

今回の治療において最初の2サイクル(4週間×2)は、ジーラスタの効果と抗がん剤の副作用を確認する為、抗がん剤を打った翌週に診察を受けましたが、どうやら順調にいっているらしく、3サイクル目からはその確認の診察は無くなりました。

 

 

3、副作用について

さて今回の治療の副作用ですが、今回どの副作用がどちらの抗がん剤の副作用なのかということについては、判断が難しいところであります。その為この章では「全体としてこんな副作用が出た」という感じで記載していきます。

 

①味覚変化

味覚変化が強く出たのはタグリッソ以来だそうです。母は大味以外の繊細な味(出汁等)が分かりにくくなったと言います。その為「甘い」、「塩辛い」がハッキリした味や食べ物を好むようになりました。その為最近は菓子パンやお菓子等ばかりを食べています。

 

②粘膜が弱くなる 

特に顕著なのが「鼻血」と「口内炎」ですね。ただ鼻血に関しては血栓治療の為の「血液をサラサラにする薬(エリキュース)」も影響していると思います。

母は今年の4月頃足に血栓が出来てしまい、それ以来上記薬を服用しています。その為出血しやすく、止血しにくい状態になっています。母は幸い大事にはなりませんでしたが、がんになった人は血栓が出来やすいようで、気を付けないと肺血栓や脳血栓になる危険性があるそうです。その為血栓防止の為に適度な運動と水分補給は大事だとのこと。(そんなん最初に説明してくれなかったぞ!)

ただ出血に関してはどちらかというとサイラムザの影響が大きいようです。

最後に口内炎については「新しいのが出来てはすぐ治る」というのを繰り返しているようです。

 

③脱毛

やはりこの治療でも脱毛は避けられませんでした。以前アブラキサンによる治療を4クール(1週×4回)行い脱毛が始まっていましたが、この治療により更に脱毛は進んでしまいました。まつ毛、眉毛も抜けてしまい、今は前髪が少し残っている状態です。

 

④吐き気

吐き気もしんどそうです。母の場合はご飯を食べることは出来るものの、食べた後は必ず気持ち悪くなってしまうようです。母はたくましく「気持ち悪くなる前に食べる!」といい、凄いスピードでご飯を食べています(笑)。

 

⑤内出血しやすくなる(追記あり)

これは②と少し被っていますが、粘膜に加えて内出血しやすくなったようです。ちょっとぶつけたところがすぐ内出血するようで、皮膚や爪が全体的に薄くなったようです。

特に外反母趾の部分が靴やスリッパに当たって痛むようで、この感覚は「タグリッソの時と似ている」とのことです。

 

※2022年1月11日 追記分

ここ1週間程、足先の出血、変色、傷が酷くなってきました。

特に入浴後は30分程出血が止まらない事もあり、普通に歩くことも苦労する状態です(エリキュースも関係あり)。

翌週に病院診察があるのですが、3連休中を何も処置無しで過ごすことが難しいと考え、急遽病院を受診することにしました。

本命は皮膚科と考えたのですが、その日近くの病院で皮膚科が空いている所が無かった為、とりあえず大きな病院に行き、窓口で状況を説明・相談しました。

その結果形成外科を案内してもらい、傷の処置と薬の処方をしてもらうことが出来ました。

足の痛み・出血は「タグリッソ」の時もありましたが、この「ドセタキセル」はそれ以上のように感じます。

 

 

4、治療の効果について

さてこのドセタキセルとサイラムザの治療を、4サイクルしたところで全身CT検査をしました。

私は今年の初めに母が肺炎になっての治験中止や、治療再開後も望ましい結果が得られなかったことから、不安の方が期待よりもはるかに大きい状態でした。

 

ですが嬉しいことに、治療効果が出ているとの検査結果が!!

原発巣の肺部分はそれほど小さくなっていないようでしたが、リンパ節(脇下と鼠径部)は小さくなっているとのことでした。治療の効果があると確認出来たのは、去年年末の最後のアリムタ治療の時以来です。

さらに咳は続いているものの、肺炎が悪化していないことにも一安心です。

 

ですが結果を聞いた時、正直私は嬉しさよりも不安を強く感じてしまったのです。

「母の体はかなりダメージを受けている。この治療いつまで出来るんだ。それに母さんは喜んでいるのだろうか。母さんがあまり喜べていないとしたら、横で俺が喜んでいいのだろうか」ととっさに思ってしまったのです。

でも今後どうなるかはともかく、今喜んでいいんですよね。先生から完治は期待出来ないと言われ、一喜一憂しない方がいいと言われても、やっぱり喜びたいです。というか喜ばせてくれよ。それくらい望んだっていいだろうと思いました。

 

ただ診察後の抗がん剤点滴について問題が一つ。

先生に「この治療を始めてから鼻血が良く出る」ということを伝えたところ、先生は迷った結果、今回はドセタキセルのみの点滴となってしまいました。どうやらサイラムザが出血に関係している可能性があり、元々貧血気味という要素を考慮した末の決断だそうです。

母は「大丈夫です。受けたいです。一つだと効果が落ちますよね?」と聞いたところ、先生は「一番大事なのは〇〇さんが元気になることなんです。がんがあってもすぐは死なないけど、出血が続くと体は一気に弱りますから」ということでした。

うーん、まぁ確かに正論なんですけどね~。正直モヤモヤしましたが、「確かに一理あるし今回はしょうがないか」と納得しました。

せめて一つ減った分、少しは体が楽になるといいなと思います。

 

 

5、最後に

さて今回の記事で、ようやく時系列が今に追いつきました。

ただ改めて記事を振り返ってみると、私の記事は一つあたりが結構長いな~と思います。これでもだいぶ削っているんですけどね。(笑)

 

今後は「書きたいテーマごと」、あるいは「日々の治療の様子や思った事」を書いていくつもりです。書きたいテーマはたくさんありますが、あくまでマイペース、緩やかな更新にするつもりです。

 

今年も残り少なくなってきました。私は今大きな焦りや罪悪感を持っています。でも罪悪感は消えずとも罪悪感を持つ自分を許したいと思っています。

私も母も皆様も、どうか平穏な時間を過ごせますように。