家族ががんになっても希望は消えない。

母が肺がんステージ4になってからの記録です。希望は常にあると信じて日々を過ごしています。

2023年新年挨拶 「新年に願いを込めて」

皆さんこんにちは。もち丸です。

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 

遂に令和5年、2023年が始まりましたね。今回は2023年最初の記事という事で、2023年に向けて今思う事を書いていこうと思います。

 

 

 

1、バタバタした年末年始

今年の年末年始は去年と比べてバタバタしたものとなりました。

母が昨年末から原因不明の湿疹が体中に出てしまい、かゆくてたまらないそうです。処方された薬もあまり効かず、主治医曰く「色々な薬を飲んでいる為、原因の特定が難しい」とのことです。その影響で緩和ケアにおける痛みのコントロールという本筋から少し離れている気がします。

痛いのはもちろん辛いに決まっていますが、かゆいのも耐えがたい苦痛ですよね。

 

更にもう一つアクシデントが。よりによって大晦日に母の歯の詰め物が取れてしまったのです。母は「早く正月に終わってもらって休み明けに歯医者に行く」と言っていました。

ですが私は「早く正月が終わって欲しい」と母に思って欲しくありませんでした。去年も思った事ですが「今年が母と過ごせる最期の正月かもしれない」と思ってしまいますので、少しでも正月をゆっくり楽しく過ごしたかったのです。

その為正月にやっている歯医者がないか調べた結果、市がやっている休日診療所に歯科があることがわかりました。

とりあえずの応急処置が出来れば、少しはストレスなく過ごせるよと母に説明し、連れていきました。そのおかげで正月をゆっくり過ごすことが出来ました。

 

後は本当にのんびりとした正月でした。特別なことはしませんでしたが、おせちを食べお酒を飲み、駅伝等の正月番組を見て過ごしました。正月特有の社会全体が少し緩んだ感覚というのがなんとも言えず落ち着くんですよね。

そして家族全員で写真を撮り、家族全員で正月を迎えられたことに感謝しました。

 

 

2、2024年の目標

さて私個人の2024年の目標は大きくわけて二つあります。

 

①就職

私は前職退職後の転職活動中に、母にがんが見つかりました。当初は医者から「もう長くないかもしれない」と言われていたので、就職活動を中断し、母と過ごす時間に充てていました。

そして抗がん剤治療やガンマナイフ治療が少し落ち着き、そろそろ自分の今後を考えないとと思い始めた矢先、新型コロナ流行が始まりました。

母は肺がん、更に骨髄抑制等の影響から、コロナ感染は命の危険に直結すると言われていました。その為私自身が感染を極度に恐れるようになり、徹底した行動自粛を心掛けるようになりました。正直気が狂いそうではありましたが、自分のせいで母にコロナをうつしたらと考えると、どうしても行動のアクセルを踏めないのです。

 

ですがまだまだコロナは収束しそうにありませんし、いい加減自分の生活を立て直さなければなりません。

正直ブランクが長くなってしまったことや、スキル・年齢的にもかなり焦っています。そして今私は後悔や不安に飲み込まれているのですが、私自身がしっかりと楽しく生きている姿を見せることが、母はなによりも喜ぶと思います。問題は山積みですが、少しずつ頑張っていく次第です。

 

 

②国家試験受験

私は現在2023年の国家資格受験に向けて、勉強をしています。

これまで順調に人生を進んできた人にはあまりピンとこないかもしれませんが、自分の立ち位置や目標・希望を失っている状態というのは、本当にキツイです。自分が社会から切り離されているように感じますし、他の人が皆輝いているように見える一方、自分だけが進めていないという無力感を感じます。

 

そこで「今この状態で何か出来ることはないのか」と考えた結果、就職活動と並行して資格の勉強をすることにしたのです。

私はこれまでもいくつか資格を取得してきました。その度に「これは逃げている時間を稼いでいるだけなんじゃないか」とも思ってきました。

ですが終わりが見えない苦しみの中にいる時には、少しでも何かに向かっている手応えを感じたいと思うのです。

やらなければならないことがたくさんあるのに、それを実現出来ていないと感じる時、私は強烈に自分を責めてしまいます。そして「やらなければならないと自分が思っていること」を出来ていない時、その他の出来たことに意味がないと思ってしまいます。「確かにこれは出来た。でも肝心のあれは出来ていないんだ」といった具合です。

 

一方最近思うことですが、確かに「やるべきこと・向き合わなければならないこと」はあり、それは他でもない自分自身がやらなければなりません。だとしても自責感は決して自分にとって良いエネルギーにはなりえないということです。

だからこそ私は少し行動してみようと思います。元々勉強は好きな方ですし、母のこと以外を考える時間が、私にとって前向きな逃避になるような気がします。

 

 

3、家族の平穏を祈る

やはり今一番気になるのは母のことです。

母はかなり頑張ってくれていると思います。もしかしたらこのままほとんど進行せずに、長生き出来るかもしれない、奇跡が起きて良くなるかもしれないという思いを捨てずにはいられません。

以前そのことを友人に話したら、「大丈夫だよ。親は子供より先に逝くのが当たり前だから」と言われ、それ以来その友人とは連絡を絶っています(笑)。「何が大丈夫なんだよ。意味わかんねえよ」と思います。まぁ元々デリカシーのない人だったので、話す相手を間違えたのかもしれませんね(笑)。

 

私と同じような状況にいる人になら通じると思うのですが、正直何歳になっても自分にとって親は特別な存在なんですよね。自然の摂理だと頭では分かっても、その事実に直面した時は、簡単には受け入れられないし、諦められないですよ。高額な怪しい治療や宗教にすがりたくなる気持ちが私にはよくわかります。

 

「長生きして欲しい。でも苦しい思いもして欲しくない」

これは家族を支えている人の多くが思う事ではないでしょうか。

大きなことは望みません。ただ平穏に生きもっと色々と親孝行させて欲しい。どうか長生きしてくださいと心から願います。

 

 

4、最後に

さて2023年最初から暗~い記事になってしまいました。(笑)

でも今は綺麗なことだけを書きたい気分ではないのです。ですがやはり新年には期待を持ち、目標を掲げたくもありますね。

 

がんという病気を表現する時はよく「5年」という言葉が使われます。これは5年生存率という気に食わない言葉が基になっているのでしょう。

私の母は今年の8月でがんを診断されてから5年になります。もちろん治ったうえでの5年ではないので、意味合いは少し違いますが。

一般的に公表されるデータでは、肺がんは5年生存率が低いとされています。ですが緩和ケアに入った今、「そんなこと知るもんか!そんな一般論なんか覆してやる!」と強気になるのは難しいです。それでも今年も母と過ごしつつ、自分にとって良い年になるような行動をしていきたいと思います。

 

それでは皆様、改めて今年もよろしくお願い致します。2023年が皆様にとって実りある年になりますように。